年末から年始にかけて、二女が働いているドイツに行ってきました。その文化の違いを体感しましたが、その中でも付加価値税(消費税)のことについて報告します。
標準税率は19% です。軽減税率は7%で、非課税に該当するものがあります。
軽減税率の対象品目 は、食料品、水道水、新聞雑誌、書籍、旅客輸送、宿泊施設の利用等 です。また、非課税のものは、不動産取引、不動産賃貸、金融・保険、医療、教育、郵便等 があります。
注1)食料品は基本的に軽減税率が適用されますので、高級食材のトリフ、キャビア、フォアグラなどが7%の軽減税率となります。また、ペット用のクッキーが7%の軽減税率なのに人間が食べるクッキーは19%の標準税率です。矛盾していますよね。
注2)食料品の中でもチョコレート飲料も標準税率ですし、ハーブティーでも成分によって標準税率のものもあれば軽減税率のものもあります。ドイツ人は内税方式にすっかりなれているので何が標準税率になるのか、軽減税率になるのか意識をしていません。どんなものが標準税率か、軽減税率なのか、非課税なのか、その適用区分についてはカオスな感じです。
注3)水道水は軽減税率ですが、ペットボトルの水は標準税率です。因みにほとんどが硬水の炭酸水です。また、いったんデポジットが加算され、スーパーなどのリサイクルBOXで処分すればデポジットが戻ってくるシステムです。ペットボトルは、ほとんどが1.5リットルなので買い物の際はとても重たくなります。
注4)ホテル代は軽減税率が適用されますが、ベルリンでは別途5%のホテル税が課税されます。他の地域でもホテル税が課税されているところ(例えばドレスデンなど)もあります。
注5) ビールは、0.5リットルの瓶ビールは一本65セント(約88円)前後。これに8セントのデポジットが加算され、瓶を返却するとお金が返ってきます。ビール税も、0.5リットルあたり4.3セント(約6.5円)と格安(ビールの種類、醸造所の規模により幅があります)。日本では0.5リットルあたり約111円。ドイツの約17倍の税金が課されています。ビールは16歳から飲酒が許されています。またアルコール度数が高いワインは18歳からです。因みに、トイレはほとんど有料ですが、その料金は1ユーロ(約135円)が平均です。
注6)何より注目したのが、ドイツでは標準税率が19%で国税収入に占める付加価値税の割合が30%強であるのに、日本の消費税のそれは29%強であることです。もし、税率の引き上げが予定通りされたら、その割合はドイツを超えてしまします。現在ドイツでは、標準税率を引き下げる変わりに軽減税率を廃止するという論調が高まっているそうです。
さて、わが国では来年10月より消費税を10%にし、軽減税率するという既定路線がありますが、消費マインドがあがらない昨今の経済情勢下で増税をすべきかどうか、また、仮に増税しても僅か2%しか差がない軽減税率を適応すべきか大いに論議すべきです。