私は司法試験のカリスマ塾長と言われる伊藤真先生が、「日本国憲法を守ろう」ということを高らかに主張され、様々なところで講演をされていることは知っていましたが、それはTVなどから流れてくる情報のみで、実際に講演を聞くのは初めてでした。
「議員定数不均衡問題」に取り組まれその訴訟で奮闘されておられることも、「憲法9条の会」という全国に網の目のようにある地域で講演活動をされており、いつかは生の講演を聞きたい願望はありました。
そう思っていた矢先に「とある場所」で生の伊藤先生の講演を聞く機会を得ることができました。どんな話をされるか期待感が膨らんでいたので最前列に座りました。先生はおそらく190㎝に近いと思われる長身で、かつ「がたいも良く」とてもおしゃれでスーツの上着を脱ぐとサスペンダー(ズボン吊り)姿でした。おまけに、アナウンサー声、堅い話を分かり易く、ユーモアも交えての内容でした。自己紹介では、年齢は私より一つ下ということだったので今年還暦になられます。
先生は「憲法は理想からかけ離れているので現実に合わすために改訂すべきだ。」という少なくない人々の主張に、「いや、現実を理想に合わせるべく努力を重ねるべきだ。」と明確に反論されていました。こんなカリスマである先生がこれだけの「護憲派」の論客だとは本当に意外でした。
また、先生は「人間は忘れやすい生き物である。勉強したことをすべて覚えていられたら、どんなに楽だろう。でも、ぽろぽろと忘れてしまうから、みんな悪戦苦闘しているのだ。私も記憶力はそれほどいいほうではない。むしろ忘れっぽいほうだから、大事な予定や約束事を忘れないように、手帳は肌身離さず持ち歩いている。だから私は人一倍努力し、工夫して忘れないように努めてきた。私の記憶法は『五感を使う』というものだ。『見る』『聞く』」『さわる』など体のありったけの感覚を総動員して知識を記憶する方法である。」と話されていました。
東大在学中に国家試験で最難関と言われる司法試験に合格された先生がそれほどの苦労はしなかったのではないかと思っていましたが、あにはからんや私とあまり変わらないので「変な意味」で安心しました。
そして、カリスマ塾長は、「この人はすごい」と思った人に会ったときは、3つの質問をしているようです。その質問とは「大変失礼ですが、あなたの人生の目標は何でしょう?それはなぜですか?そのために何をしてらっしゃいますか?」もし、こんな質問をされたならば、私は何と答えるのでしょうか?
英語では「努力家」のことを「Hard Worker」と言いますが、国民栄誉賞を受賞された将棋の羽生義治「永世七冠」も、競馬の武豊さんなども、世間では「天才」と言われていますが、おそらくかなりの「Hard Worker」なのではないかと思います。
「この人はすごい」と言われる人に私もなりたいと努力をしているつもりです。私は、自らを「才能がない」「不器用である」ことを自分で「客観視」しているので、「人一倍の努力」を継続してやり続けるしか能はありません。「継続は力なり」「努力は嘘をつかない」という諺を信じてひたすら「努力」を継続していきます。