【4】消費税の増税は阻止できる
(1) 財界は消費税の税率をヨーロッパ並みの20%を要求
EU委員会や学者から批判が続出→軽減税率は国家間、企業間に不公平をもたらす→軽減税率の利益を受けているのは大企業だけ→その恩恵を受けるためにロビー活動が盛んになる→低所得者対策にならない→国の税収不足を生じさせている。日本の消費税(地方消費税を含む)は歳入の約28%。標準税率が19%のドイツは約31%→もし10%への引き上げがされたら逆転する→軽減税率をなくせば標準税率を下げられる→中小事業者の事務負担の負担軽減のことも考慮し見直すべきだとEU委員会は考えている。
(2) ドイツのマクドナルドの例
ドイツの軽減税率は7%、標準税率は19%→店内で食べれば19%、お持ち帰りは7%のはず→しかしいずれも同じ価格(内税)→低所得者対策になっていない証拠→ドイツの学者はマクドナルドが悪いのではなく、付加価値税そのものに欠陥があると論評→日本の大手外食業者もその方向性で動いている。→国税庁は最終的には消費者が負担している間接税だと宣伝しているが、その宣伝に惑わされてはならない→消費税は「預かり金」という批判から「預かり金的」と言い直しているが、それも違う。
→あくまで、消費税は価格の中に含まれている。
(3) カナダの付加価値税
カナダの付加価値税は1991年に7%で導入されたが、2006年7月に6%に引き下げ、さらに2008年1月に5%に引き下げられている。
(4) EU委員会では、輸出還付制度の見直しを検討中
不正還付制度の悪用が余りにも多い→日本でも金塊の不正輸入とこの制度の利用で不正還付が横行→輸出企業には還付金を渡さない仕組みを検討している→2022年からの実施の予定と発表→もともと輸出促進税としてフランスで導入された0%課税→これがアメリカとの貿易で軋轢を生んでいる→EUの財界の抵抗は必至→日本でも輸出免税制度がなくなれば、財界も消費税の考え方を変えるはず。
(5) 財界人でも消費税を批判
鈴木敏文・セブン&アイ・ホールディング名誉顧問「今のタイミングで消費税を上げたら、間違いなく消費は冷え込んでしまう」「国内景気がさらに悪化して、消費の減少、企業倒産の増加、失業率上昇といった負の連鎖に直面する可能性もある」(『文藝春秋』1月号)→元伊藤忠商事会長、元中国大使の丹羽宇一郎氏「消費増税より資産課税を」「富の再分配で若者の情熱を引き出せる」との新聞インタビュー
(6) 軍事費の無駄遣いを見直すべき
安部首相の「お買い物リスト」は「攻撃型兵器」のオンパレード→自衛隊を「専守防衛」から「海外で戦争する軍隊」に変容させる→イージス・アショアの命中率は50%、その命中率を高めるためミサイル一機が10億円から、いつの間にか40億円に→下表参照→その他不公平税制を改めれば17兆円の財源あり。特に法人税の累進税率化は有効であり、アメリカではこの方法を取っている。何でもマネをする政府はアメリカのすぐれた点のマネしないのか
→消費税(付加価値税)もアメリカには連邦税(州税としてはある)としては存在しない。
(7) 富裕層、大企業から応分の負担を
富裕層対策→上場株式の譲渡・配当を総合課税に、所得税の超過累進課税の最高税率を45%からせめて55%に、住民税を一律10%から、5%~15%の超過累進課税に。
法人の税率を比例税率から超過累進税率に→資本金により5%から45%の5段階にすれば約19兆円の増収になる。
(8) 社会保険料の上限をなくす
税と社会保障というならば、今話題のカルロス・ゴーン氏も年収1億円以上の高額所得者も頭打ちをなくせば→健康保険は月額133.5万円で、厚生年金は月額63.5万円が上限になっている。
(9) 国保料の引き下げと均等割と上限額廃止
全国市町村会が提言している1兆円あれば引き下げは可能→上記(8)を財源にすれば可能になる。
(10) 今後どのように行動したいいのか
思想・信条などの違いを超え消費税の署名運動を→YouTubeを見れば立場の違いを超えて様々な分野の著名人が対談等をしている→自ら話すことも大事だがYouTubeの有効活用も。