政府は、2010年6月18日政府は閣議決定で「中小企業憲章」を制定しました。
その前文では『中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。~中略~政府が中核となり、国の総力を挙げて、中小企業の持つ個性や可能性を存分に伸ばし、自立する中小企業を励まし、困っている中小企業を支え、そして、どんな問題も中小企業の立場で考えていく。これにより、中小企業が光り輝き、もって、安定的で活力ある経済と豊かな国民生活が実現されるよう、ここに中小企業憲章を定める。』
基本理念では『中小企業は、経済やくらしを支え、牽引する。~中略~難局の克服への展開が求められるこのような時代にこそ、これまで以上に意欲を持って努力と創意工夫を重ねることに高い価値を置かなければならない。中小企業は、その大いなる担い手である。』
と高らかに表明しています。
最新の中小企業白書(2016年)によると、中小企業の数は357.8万社、うち小企業(商業・サービス業は5人以下、製造業その他は20人以下)は304.8社、大企業は1.1万社、わずか0.3%です。したがって、中小企業の占める割合は99.7%です。また、そこで働く人の割合は約70%と言われています。
「中小企業憲章」では「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。」と言いながら、2020年度の予算で付いた中小企業対策費は一般歳出のわずか0.27%で1,753億円(19年度比37億円減)です。1社あたり4.9万円しかありません。驚くことに賃上げ対策費は11億円、1社あたり300円という驚愕の数字です。中小企業庁は経済産業省の外局ですがその定員は195人、防衛省の外局である防衛装備庁の1,813人の約1割です。本当に「中小企業憲章」の理念通りの政策を取るとしたら、大企業におもねる政策ではなく、中小企業の懐があたためられるような政策と予算と人員配置をして欲しいものです。
昨年の消費税を期に事業を廃業された方もこの確定申告で垣間見られました。そこに、新型コロナウィルスでの「自粛騒動」でその数は加速度的に進むでしょう。
「オーバーの上からから背中を掻く」のようなやり方ではなく、正面から中小企業の廃業等極小化する構えが政治の世界で必要でしょう。ただでさえ、後継者不在率は全国平均で65.2%です。地元の山口では、全国ワースト3の74.7%です。私見ですが、中小企業大臣を新たなポストに置き、一桁多い予算と定員にすべきではないでしょうか。
不要不急な予算はたくさんあります。その最たるものが防衛費です。この歳出は、8年連続の増額で、はじめて、5兆3,000億円にもなりました。なんと中小企業関連予算の30倍です。例えば、戦艦大和とほぼ同じ大きさの「いずも」型護衛艦を空母に改修する費用は31億円です。賃上げ対策費「業務改善等助成金」は11億円の約3倍です。また、その空母に載せる戦闘機のF35Bを6機793億円出してトランプ大統領から押しつけられて買います。こうした攻撃型の防衛費は本当に必要なのでしょうか?多いなる疑義があります。
ヨーロッパの小企業憲章には「Think small first」と言う考えを表明しています。是非、政治家や官僚の皆さんはそれを見習って欲しいと切に願っています。