月別: 2020年8月

税務調査について思うこと~中国税理士会からのアンケートに私はこう答えました~

8/15のブログに税制改正及び税務行政に関する意見として記載させていただきました。今回も中国税理士会からアンケートについて重複する部分もありますが意見を述べさせていただきたいと思います。

アンケートの質問は、1.税務調査に関する意見と2.税制改正及び税務行政に関する意見・要望の2項目でした。前者の税務調査に関する意見は、予め10項目(その内容については割愛します)の選択支から2つを記載するものでした。その中で私は「1調査期間が長い」と「2事前通知」を選択しました。

「1調査期間が長い」の回答については次のように回答しました。『税務調査は課税庁側にとっては、それが日常業務なので長い調査をしても特段支障はありません。一方、それを受ける納税者にとっては、もの凄いストレスになり、悪いことをしていなくても「夜寝られない」「日常業務のときも税務調査のことを考えてしまいミスを犯しがちである」などの弊害があります。巨悪には大きなペナルティーを課すのは当然として、任意調査は極力早く終わるように要望します。』

「2事前通知」の回答については次のように回答をしました。『事前通知は、国税通則法第74条の9で「税務署長等は……」と主語は明らかに税務署長等となっています。ところが、実務(現場)では、当該職員が事前通知を行っています。課税庁はマニュアルで、その条文にある11項目を通知できますが、納税者やその代理人である税理士は、それに十分に対応できません。条文を変え、事前通知を「文書」にすればトラブルの防止になります。』

後者の税制改正及び税務行政に関する意見・要望についてはA4一枚の事由記載になっていましたので、次のように回答しました。

『(結論)リーマンショック以上のコロナ禍の中、時限的にも消費税を5%に戻すか、0%にすることを要望します。

(論点)は下記①から④までを記載しましたが、現下の日本にとって重要なことです。

①日本は昨年10月から消費税を8%から10%に引き上げ(軽減税率として据え置かれたものもありましたが)ました。このとき、安倍首相は「リーマンショック級の出来事が起こらない限り、消費税を引き上げる。」と明言をされていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大で、「リーマンショック」をはるかに超える世界的経済不況となっています。この明言(公約)を実施するならば、可及的速やかに引き下げるか、0%にすべきです。

②政府は「消費税は預かり金(的)だから、事業者は預かったお金を納めるべきだ」という「消費税の本質を煙に巻く」キャンペーンであり、実際多くの納税者は赤字でも消費税の納税ができず、廃業に追い込まれる実体があります。

③「納税の猶予」の措置をとっても、いつかは納税しなければならないことになります。

④ドイツでは4月よりレストランなどの外食への標準税率19%を軽減税率の7%に引き下げ、7月より標準税率19%を16%に、軽減税率を7%から5%に引き下げました。その他既に10ヶ国が消費税(付加価値税)の引き下げをしています。他国でできて日本でできないことはありません。

えっ、母が65万円の補聴器を買った!!~補聴器に見る日欧の違い~

私の母親は故郷の山口を離れて、私の妹が住んでいる広島市で介護付き高齢者住宅で生活をしています。1930年(昭和5年)生まれなので誕生日が来ると90歳になります。

その母が最近補聴器を買い換えたと妹から聞きました。金額を聞いてビックリ!なんと65万円したらしいのです。補聴器は消費税が非課税なのですが、その金額を聞いて驚きました。

5年前にも約30万円の補聴器を購入していました。加齢によることもあると思いますが、何度も調整をしてもらっても気に入らないらしく日頃はつけていないらしいです。

当初、無償で永年調整ができるという触れ込みだったのですが、購入したお店の一方的な都合により調整の無償化がなくなったそうです。

母は長らく公務員をしていた関係で、年金も比較的多くもらっていますが、国民年金だけで日々の暮らしがやっとの方にこの金額の補聴器の購入は、難しいのではないでしょうか。

最近のチラシに入っていた「ジャパネットたかた」のオムロンの補聴器39,800円の購入さえ難しいでしょう。両耳でこの値段かと思いきや虫眼鏡でしかわからないような小さな文字で「両耳装着の場合は2台必要です。」と書いてあります。2台だと79,600円です。それなりに大きな金額になります。分割12回までOKと書かれていても送料を入れると毎月約6,700円の出費になります。最近、高齢者の生活保護世帯が増えてきていますが、そのような境遇の方には絶望的な金額です。

それにしても、母が購入した補聴器は、オムロンのそれより約8倍します。確かに性能の差やメンテナンスの違いもあるのでしょうが、齢90歳の母には少々お高い買い物です。

そこで、日本と欧州の補聴器事情を調べて見ました。まず、補聴器の購入の助成ですが、イギリス、ノルウェー、デンマークは公的補助100%です。ドイツ、スイス、イタリア、フランスは現在のところ一部の補助金ですが21年までに「完全補助」をめざしています。

また、ほとんどの先進国が、補聴器販売のために資格が必要ですが、日本にはその規制がありません。つまり、補聴器に対する技能者がなくても販売ができるのです。また、欧米では、国家資格・公的資格を持つ補聴器技能者と医師が連携して補聴器を調整するシステムがあります。

日本補聴器工業会の調査によると、購入補聴器は10万円から20万円がほぼ半数を占め、20万円以上を含めると7割強にもなります。それをほとんど100%自己負担というのは高齢者にとってはかなり重い負担となります。

さらに、同工業会の調査によると補聴器の全体的満足度は、1位のフランスで84%、以下、スイス81%、ベルギー、ポーランドが80%、イタリアが79%など多くの先進国は70%を超えています。ところが、わが国の満足度は39%しかありません。つまり、私の母のように満足していない人が6割を超えているのです。

補聴器がないと高齢者の楽しみのひとつである井戸端会話の場に入れずに、結果として認知症の発症原因になり、その機能が衰えるスピードが速くなる高くなると考えられます。

今とる経済政策の最善の策は消費税を0%に凍結することです。~コロナ禍の中でドイツは付加価値税を7月から下げました~

「リーマンショック級の出来事がない限りは予定通り」この言葉を何度聞いたでしょうか。10%への引き上げを見送る常套句でした。

予定通り安倍内閣は、昨年10月に消費税の10%への引き上げという庶民大増税を強行しました。そのため、昨年10月から12月の四半期のGDPは年率で7.3%も減少する異常事態になりました。そのうえ今年からのコロナ危機で、日本経済は大不況に陥っています。

この不況から脱し、景気を回復させるうえで焦点となっているのが、消費税の減税です。

消費税率の引き下げを求める国会議員は自民党の112人、野党も併せると全国会議員の約30%になっています。消費税という税は、最も生活に密着してしかも、富裕層に有利で庶民に冷たい「逆進性の極めて強い」税制です。

ドイツでは、7月から標準税率を19%から16%に引き下げ、軽減税率を7%から5%に引き下げました。減税規模は200億ユーロ(約2.5兆円)で、新型コロナウイルスの感染拡大前の付加価値税収の1割弱に相当します。日本でもぜひ消費税減税を実現させましょう。

7年半におよぶアベノミクスは、大企業と富裕層をうるおしただけで、貧困と格差をさらに大きく広げました。しかも、このコロナ禍のもとでも大企業の内部留保は増え続け、488兆円にもふくれあがっています。いっぽうで社会保障は、介護、医療、年金などあらゆる分野で、給付の削減と負担増が実施され、庶民の負担はふえるばかりです。

いまこそ大企業と富裕層に応分の負担を求めて消費税の減税を実現すべきときです。当面は、ドイツ付加価値税減税のように現行の10%(軽減税率は8%)を5%にしていく、その結果経済が上昇基調になってくれば当面の間消費税をゼロに凍結すべきだと考えています。

財源はあります。消費課税に重きを置くのではなく、所得課税、資産課税にウエイトを置くのが本筋です。「不公正な税制をただす会」の試算では、大企業優遇税制をただすことで10.8兆円、法人税に所得税並みの累進税率の導入で10.5兆円、さらに所得税の累進制の強化で13.4兆円、所得税金融所得の課税強化で5.5兆円、相続税の累進制の強化で1.1兆円、合計41.3兆円の新しい財源試算を公表しています。令和元年度の消費税収21兆7190億円を廃止しても、20兆円のおつりがきます。

「消費税を一度下げたら再び上げるには数十年かかる」そんなばかげた理由で消費税引き下げ税論議を一蹴していることもあるようですが、どんな税目でもこれまで上げ下げは、頻繁にしています。繰り返しになりますが、ドイツ付加価値税減税を見習いましょう。

税制改正及び税務行政に関する意見~私の税制改正についての思い~

毎年、中国税理士会下関支部から税務調査等に関するアンケートがあります。これを集約して、広島国税局と中国税理士会が協議会をする参考資料にしているようです。

コロナ禍の中、税務調査がほとんど実施されていない状況の中、アンケートのほとんどが空欄でした。A4一枚の事由記載欄に11項目にわたって、アトランダムに今、私が思っている税制改正の意見を書いたので紹介します。

(1)リーマンショックをはるかに超えるコロナ禍の中で、消費税を5%に戻すか0%にするかを時限立法でも良いから可及的速やかに実施すること。

(2)上記の消費税を5%に戻す場合においては、軽減税率制度を止め単一税率にすること。

(3)広島国税局管内は税務調査期間が長いと他局の税理士からよく言われる。同じ国税庁にあって、他局との不公平があれば是正をすること。

(4)国税通則法第74条の9の主語は「税務署長等」になっているが、現場では当該職員が実施している。この条文を実体に合わせて当該職員とするか、口頭でなく文書でもって納税者及びその代理人である税理士に通知をするようにすること。

(5)相続税の調査においてその多くが、納税者だけでなく、その家族まで銀行等の預金調査をやっている実体がある。それは反面調査になるので止めるべきである。

(6)重加算税の意味を納税者に知らせずに、安易に重加算税の賦課をする傾向があるので、もし賦課するのであれば、その意味するところを納税者に理解してもらうまでは、一方的な賦課はすべきではない。

(7)若い調査官が一人で調査することがあるが、杓子定規な調査ではなく、納税者が抱いている不安、意見などをしっかり聞いて、上司に復命すること。

(8)契約書、領収書などの書類については、当然にコピーできるという姿勢ではなく、あくまでも納税者の理解と協力の下にしないと、今後の課税当局と納税者が「近づきやすい」ということにはならない。

(9)留め置きの規定で、書類を署に持ち帰ってコピーをするかどうかを、予め明確にした方が後々のトラブルを未然に防ぐことができる。

(10)進行年度の調査(現金実査など)が実施される場合があるが、法律上何の根拠もないのでそのような調査手法はやめること。

(11)医療機関におけるカルテの開示については、医療法において禁止されているので、個人情報保護法違及び刑罰対象行為になることを未然に防止するためやめること。

他にもたくさんの要望や意見がありますが、枚数の関係でここまでしか書けませんでした。

先進国において唯一「納税者の権利憲章」がないわが国、ニッポン。納税者があくまで「主人公」であり、課税庁にとっては「お客様」です。その立ち位置をはっきりさせないといけないと思っています。

あらためて自己紹介をします。「ねこチャン」はこんな人物です。

ある仲の良い税理士から講演の依頼を受けました。その質問について要約して、あらためての私の自己紹介をします。

■ご両親のどんなところに影響を受けて事業をしているのか?

・約10年前に他界した父は塩田地主のお坊ちゃま育ちの「自由人」を地で行った人でした。亡き父からは、「自分のやりたいことを好きして良いんだ。」ということを学びました。無口で、愛情表現が上手くなかったことは「反面教師」としています。

・齢90歳となる母は、その当時の花形的な職業であった「電話交換手」をやっていました。その当時はあまり行かなかった女学校も出ているせいもあるのか、今もなかなかの聡明・博学です。母からは「知性」が必要なことを学びました。すごく「わがまま」な部分を持っていますが、それは「反面教師」としています。

■なぜ、お金に執着しないのか?

・本当は断捨離をしなければ行けない歳なのに、不必要なものを購入しては妻にあきれられることもしばしばです。

・幸いにも、個人としては借入金がないので当座の暮らしには困っていません。しかし、豪邸(自宅は、敷地60坪、延床面積40坪の持ち家なので都会から見たら豪邸かもしれません。)に住みたいとか、ベンツのような高級車(今はトヨタのSAIという車に乗っています。新車価格は500万円弱だったと思いますが、既に20万キロ以上の走行距離です。)に乗りたいとの思いはまるでありません。

■税理士は経営者か職人か?

・良い質問ですね。まずは、マイスター(職人)以上に近い言葉としては、「税金の弁護士」でなければいけないと思います。とはいえ、自分の税理士としての理念を実現するためには、理念に共感してくれる人との組織プレーが必要です。組織を束ねようと思えば、否が応でも「経営者」としての側面も大事だろうと思います。要は、そのバランスです。

■先生の考える会計事務所像とは

・地域に根ざし、「お困り事の解決センター」としての位置づけが必要だと思います。自然発生的に弁護士、司法書士、社労士等とのネットワークができました。確かに「口コミ」で困難事案を解決できる事務所として、地域では評判です。紹介者からの事案の紹介が多いのはありがたいことです。ただ、関与先の量とスタッフの質がまだアンバランスなのが課題です。

・単に記帳や決算・申告などではなく、関与先や相談者と一緒に「喜び」も、「苦しみ」も、「悲しみ」も共有できるまでの信頼関係が必要だろうと思いますが、それを構築することが、なかなかできないのが現実です。

■事務所スタッフの勉強会などについて

・スタッフが行きたい外部研修には行ってもらっています。反対に行ってもらったら役立つだろう研修の紹介もしています。研修会に参加すれば交通費と日当も支給しています。その代わりに、研修レポートもA4一枚にまとめて提出する義務があります。

・年に2回、3つの事務所が集まって全体会議をしますが、外部講師による主に理念の勉強会が多いです。毎月の事務所毎の研修も繁忙期以外は90分くらい時間を取って内部講師でやっています。それが、スタッフの質の向上につながっていると思います。

■先生の趣味は

・登山です。2017年(還暦の歳)に日本100名山を制覇しました。100座目は山形県の蔵王山でした。思い出深いのは、98座目の北海道のトムラウシ山(最後1時間のところで足がつってしばらく歩けませんでした)と99座目の黒部五郎岳(単独で行って危うく遭難しそうになりました。富山県山岳救助隊にはスタンバイだけはしてもらっていたようで、事情聴取を受けました)です。家にも連絡が入り、授乳中の長女のおっぱいが止まるという迷惑をかけました。今年に入ってからは、足のかかとのけがとコロナの影響でまだ一度も登山靴を履いていません。登山には随分と時間、体力、お金を費やしました。しかし、ここのところ明らかにモチベーションは下がっています。

・もうひとつの趣味は、アコースティックギターです。最近は、ビートルズの「ヘイ・ジュード」エルビス・プレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」CCRの「雨を見たかい」などの英語の曲の練習をしています。同い年の講師の先生に週1回特訓を受けていますが、なかなか上手くはなりません。以前は、今は亡き、加藤和彦さんの曲などの弾き語りをしていました。最高時、5本のギターを持っていましたが、置く場所がないので現在2本しかありません。そのうちの一本は世界的に有名なギターメーカーのもので、かなり良い値段で購入しましたが弾きにくいので、お蔵入りしそうです。

・趣味とは言えませんが、今一番隙間時間をさいているのは「英会話」です。現在は中学校3年生ぐらいのレベルですが、休日だと10時間以上勉強をする日もあります。毎日手帳に勉強時間と内容を書き込んでいますが,なかなか上達はしません。週に一度、これまた、同い年の外国人の先生(大学の非常勤講師)に90分のレッスンを妻と2人で受けています。専業主婦の妻との良きコミュニケーション・ツールになっています。

・始めたばかりですが、週に1回ストレス解消のためボクシングで体を鍛えています。それと同じく週に1回、剣道の練習に行っています。現在2段ですが3段取得が目標です。

・これも趣味とは言えないのがダイエットです。若い頃から体重が増えたり減ったり(最高時84㎏、最少時63㎏)しています。もともと大食漢でしかも太りやすい体質なのかあっという間に還暦を過ぎてしばらく72㎏をキープしていた体重が、今年の元旦には、78㎏(BMIは、身長が172㎝なので65㎏が理想です。)まで体重が増加しました。着られる服も限られました。そこで年頭に体重を10㎏落とす目標を立てました。今回のダイエットの方法としては夜の食事の量を減らすことと、妻と二人で夕方約40分のアップダウンの激しいコースでのウオーキングをすることでした。夜の食事は野菜ジュースと豆乳を中心とした流動食にしました。ウオーキングは、妻とのコミュニケーションを図るのにとても有効です。体重が落ち始めるのに2ヶ月かかりましたが、その後はみるみるうちに落ちていき、ついに5月上旬70㎏になり、中旬には目標の68㎏になり、夕食も固形物にしましたが70㎏をキープしています。82センチのズボンが楽々はけるようになりました。毎朝体重計に乗り、毎食の食事内容と食事時間を記載しています。涙ぐましい努力を継続するのに快感を抱くようにまでなりました。