知り合いがまさかの逮捕!~国選弁護人と私選弁護人の違いを深く知りました~

誰でもいつ何時逮捕されることがないとは限りません。逮捕とは、捜査機関(警察)などが被疑者の逃亡や証拠隠滅を防ぐために一時的に身柄を強制的に拘束することを言います。

私の知り合いがまさかの逮捕をされ、国選弁護人(日本国憲法は第37条3項で、「刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。」と定めています。したがって被告人国選弁護は、憲法上必置の制度であり、被告人からすればその依頼権『国選弁護人選任請求権』は憲法上の権利となる。ウィキペディアより)を選任しました。

その時にそのご家族に次のようなアドバイスをしました。まず、弊事務所の顧問弁護士に相談しました。不足のものはネットで検索してみました。そこで、知り得た情報でお役に立ちそうなものをまとめてみました。

※厳選刑事事件弁護士ナビ 国が弁護士費用を負担する国選弁護人にはデメリットも多い~いざという時の備えに~刑事事件コラムより以下引用

はじめに

国選弁護人にはあまり頼りにならない弁護士が付くこともありますが、厳密に言えば私選弁護士でも国選弁護士でも良い弁護士・悪い弁護士はいます。

悪い国選弁護人の特徴と言うより、悪い弁護士の特徴にはなりますが、国選弁護人を付けてはみたものの、あまり頼りにできないように感じれば、私選弁護士に切り替えてみてもいいかもしれません。

刑事事件に精通していない

国選弁護人は依頼者がどの弁護士を選任するのか選べないことから刑事事件に精通していない弁護士に当たってしまう可能性があります。では刑事事件に精通していない弁護士はどのように見分ければ良いのか気になることでしょう。

見分けるために「先生は年間で何件くらい刑事事件をやっていますか?」と質問してみてください。弁護士としての経験年数にもよりますが【年間で5件程度】やっているようであれば精通していると言って差し支えないと思います。その返答に窮たり、回答をはぐらかしているような場合は刑事事件に慣れていないことが考えられます。

スピード感がない

刑事事件での重要なことはスピード感です。国選弁護人は早くても勾留後からの選任になり、私選弁護士より一歩遅れます。その上、なかなか面会の日程調整が決まらない。電話をしても繋がらないような場合は、スピード感のある私選弁護士を探したほうが上手くいくケースもあります。

極端に若い・経験がない

また、国選弁護人の中には私選弁護士として依頼者からお金をもらう程の経験がない弁護士もいます。確かに若い分熱意はあるかもしれませんが、極端に若かそうにみえたり、経験がないように感じられるのであれば、経験豊富な弁護士に相談してみても良いかもしれません。

横柄な態度を取る

逆に、弁護士の中には昔ながらの頭の固い弁護士がいることもあります。弁護士選びでは依頼者や被疑者と弁護士の相性が重要です。少しでも「相性が悪いな」と感じたのであれば、他の弁護士に相談してみても良いでしょう。

国選弁護人から私選弁護士への変更は可能

以上のような感じの国選弁護人が付いて、不安や不満がありませんか?率直に言いますと、国選弁護人から私選弁護士への変更は可能です。国選弁護人は、国が選んだ弁護人ですので、簡単に変更はできません。

しかし、被疑者家族や被疑者が個人として私選弁護士を探して費用を払って選んだとなると、それまでの国選弁護人は解任されることになります。結果的に新しく選んだ私選弁護士に変更されたことになります。

国選弁護人から別の国選弁護人への変更は不可能

一方で、どんなに現在の国選弁護人に納得できなくても、他の国選弁護人への変更は原則的にできないとされています。したがって、現在の国選弁護人に対して不満があって変更したいようでしたら、費用を払って私選弁護士に依頼するしかなくなります。

初めて代用監獄で知り合いと面会

 以上のような基礎知識を入手して、生まれて初めての経験ですが、世に言う「代用監獄(警察留置場)」で、知り合いと面会しました。

『代用監獄とは、本来は逮捕、拘留された容疑者は、全国に114カ所ある拘留所に収容されるのが法律上の原則。だが実態は、本来「代用」のはずの警察留置場に収容されることがほとんどだ。日弁連は、捜査機関である警察が容疑者の身柄も管理すると「自白の強要などにつながる」と批判。廃止を求めている。一方、法務省や警察省は「取り調べを迅速に行うために必要」と主張。警察は80年以降、捜査と留置管理の担当者を別組織に分け、「冤罪の温床という批判は当たらない」と主張している。』(朝日新聞掲載「キーワード」の解説参照。)

知り合いは、私の顔を見ると安心したのか涙目になっていました。私の話を聞き、本人の意思で国選弁護人に委ねられることになりました。

私も、何時、どこで「逮捕」されかわかりません。今回の件で、新しい知識の箱が一つできました。しかし、そんな「まさか」がないように、様々な法令を可能な限り遵守していこうと思った次第です。