「国税庁は27日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて所得税の確定申告の期間を1カ月延長し、4月16日までにすると発表した。個人事業者の消費税の受付期間も3月31日から4月16日までに延長する。」という情報をネットで配信しました。
※2020年2月27日 日本経済新聞電子版より引用
早速、翌28日に弊税理士法人が所在する所轄署の山口税務署、徳山税務署、下関税務署にそれぞれ問い合わせたところ、予定通り納税への相談業務はそれぞれの会場で行うと言うことでした。また、アルコール消毒液、マスクの準備もしているそうです。
広島国税局の納税者支援調整官に問い合わせたところ、大きな会場の場合にはマスクが不足する可能性もあるとのことでした。3月17日以後の納税者への相談体制については協議中とのことでした。
日経新聞では、1面トップに「全国小中高に休校要請」との大見出しで、さらに関連記事で2~4、9、11、15面に関連記事が出ていました。それに対して前例のない全国一斉の実施の申告期限延長という異例の措置が、社会欄(最終ページの文化欄の1ページ前)の中段にわずか20行しかその記載はありませんでした。
記事の要点は「~東日本大震災後に被災者などを対象に期間を延長した前例はあるが、全国一律の延長は初めて。国税庁によると全国で約400万人が期間中に相談や申告に訪れる。期間延長により混雑緩和をはかる。~」という内容でした。
もちろん、インパクトの点で言えば「全国小中高に休校要請」の方が大きいのでしょうが、400万人もの多数が関わる所得税の確定申告もせめてもっと目立つようなところに記載して欲しかったと言うのが私の思いです。
国税庁のホームページでは次のように記載されています。
令和2年2月27日 国税庁
申告所得税、贈与税及び個人事業者の申告・申告期限の延長について
『~今般、政府の方針を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、申告所得税(及び復興特別所得税)、贈与税及び個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告期限・申告期限について、令和2年4月16日(木)まで延長することとしました。
これに伴い、申告所得税及び個人の消費税の振替納税をご利用されている方の振替日についても、延長することとしています。』
デジタルデバイス(PCなどを使える人と使えない人による情報の格差)とよく言われますが、国税庁も早く方針を早急に固め、特に高齢や障がいをお持ちの方々に速やかに、分かり易く広報して欲しいと願っています。
因みにアメリカの申告期限は4月15日、ドイツは7月末、イギリスはなんと翌年1月31日です。
今般の新型コロナウイルス感染症だけではなく、わが国の確定申告の申告期限はインフルエンザや風邪等が流行る時期と重なります。アメリカのまねがお好きなわが国も今回の措置を特例だけに終わらせずに、次年度から4月15日にしたらどうでしょうか。