8月11日から3泊4日で、北アルプスでは、表銀座縦走コースと言われているところに縦走をしました。 因みに、「表銀座縦走コース(おもてぎんざじゅうそうコース)とは、北アルプス山麓の中房温泉を起点とし、合戦尾根を登り、常念山脈を大天井岳まで縦走し、東鎌尾根の喜作新道を経て槍ヶ岳へ至る登山コースの名称である(Wikipediaより)」と言われています。
今回は、日程の都合と二女が北アルプス初挑戦と言うことを考慮して、大天井岳から常念岳に迂回し一ノ沢まで降りるルートにしました。
初日は、中房温泉までの移動日でした。中房温泉は、秘湯を守る会に登録をされていて、首都圏在住の人がスタンプラリーで楽しんでおられます。山口の近くでは、熊本県の黒川温泉が登録されていますが、その多くが、東北や信州方面で、首都圏以外の人がスタンプラリーに参加するのは、なかなか困難です。 中房温泉は、松本から出ている大糸線の穂高から1日5便のバスしかありませんが、マイカーの利用者がかなりあります。 さすが秘湯だけあって、その風呂場の多さと源泉掛け流しです。私は、5ヶ所の風呂場に浸かりました。本館には、登山客、新しい別館には湯治客というふうに別れていて、食事内容も料金もそれぞれ違います。 朝6時半からの食事には、夕飯を共にした登山客の2/3は、食事を弁当にしたのか、自分で持参したのか、人もほとんどいなくて寂しく感じました。
私たちは、 燕岳(つばくろだけ、日本200名山、2763㍍)に昇るため、午前7時半に登山口を出発しましたが、いきなりの急坂で10分もしないうちに、我慢強い二女も限界だったのでしょうか、場所をはばからず、もう登れないと涙を流して私に訴えてきました。その後、二女の荷物のほとんどを私が持つとそれまで泣いていた二女は生き返った魚のごとく快調に歩き始めました。反対に、最近余り重いザックを持ったことのなかった私は、二女には言えませんでしたが、息も絶え絶えでした。おまけに雨にも降られてカッパを着るのに余計に時間がかかりました。
燕岳の頂上稜線にある山小屋の燕山壮(えんざんそう)に泊まるという団体さんや中房温泉で同室になった私と同じ世代の京都から来たというご夫婦にも随分と励まされ、何とか日本200名山の燕岳の頂上を極めました。この頃になると二女の歩きも軽快になっていました。
3時間少しかかってしまいましたが、ほとんど休憩もとらずゆっくりですが、歩を進めました。途中で梯子や少し歩きにくいところもスムーズに歩けましたが、この日に泊まる大天壮(だいてんそう)までの400㍍は岩場でかつ、急坂で喘ぎながらやっとの思いで、山小屋に着きました。
二女にとっては初めての山小屋体験でしたが、夕飯が、魚料理と肉料理を選択できて、余り得意ではない肉料理を回避できたので喜んでいました。大天壮は、宿泊客が少なく四人の布団を二人で使えたので大満足でした。 翌朝の食事は、4時15分からと5時15分の2回に分けるような仕組みだということで、今後の行程を考えて早い方を選択しました。早朝は天気に恵まれ、雲海の上に日が昇る情景に二女もご満悦、さらに槍ヶ岳も綺麗に見えました。
食事終了後直ぐに、大天井岳(おてんしょうだけ、日本200名山、2922㍍)に往復15分で、山頂まで行って来ました。 5時50分に山小屋を出発、3時間10分かかり9時に常念小屋に着きました。二女もここまでは順調でした。 ところが、足元が岩場でしかも急坂の常念岳(じょうねんだけ、日本100名山、2857㍍)の往復で、脚にきたようです。
昼食を済ませ、下山口の一ノ沢まで2時間の予定が、3時間15分かかりました。後からの登山客にドンドン抜かされましたが、休憩もせずに、二女のペースでゆっくり着実に下山したため、怪我もせず無事到着しました。 運が良いのか、日頃は予約をしていないと携帯電話が通じない所だったのですが、たまたま予約なしのタクシーが停まっていました。運転手さんいわく、こんなラッキーは10回に1回位だそうです。松本行きの大糸線にもギリギリ乗れました。慌てていたので、キップの取り忘れのトラブルもありましたが、何とか松本にたどり着きました。 翌日になったら、二女は昨日のしんどさも忘れ、山は素晴らしいと、何度も言い出しました。ただし、重たいザックを背負わないならの条件付きですが⁉