窓口は大混乱!?~西京銀行5万円キャンペーンを考えてみました~

2月27日午前8時、たまたま西京銀行小郡支店の横を車で通り過ぎました。9時開店のはずなのに、目の子で50人位の長蛇の列ができていました。

そうです。今年1月6日に始まったキャンペーンは、山口県在住者が新たに同行の普通預金口座を開設し、3月末時点の残高を100万円以上にすれば、4月末までに最大5万円がもらえるという内容に多くの人が押しかけたのです。想定外の人気にキャンペーン期間は当初3月末まででしたが、2月末に短縮されました。

こうしたキャンペーンはメガバンクのみずほ銀行でも、ポイントと現金で最大計5万円相当がもらえるキャンペーンを実施しています。しかし、給与受取口座への指定やNISA(少額投資非課税制度)口座の開設、クレジットカードの発行など複数の条件達成が必要でかなりハードルが高くなっています。ところが、同行のキャンペーンはそのハードルが低いため人気が殺到したのです。

読売新聞3月1日付は、『受け付け最終日の28日午前8時半頃、山口市の小郡支店には整理券を受け取る10人ほどが並び、未明から並んだ人も含め、既に数十人が受け取った後だった。店の入り口には「最大待ち時間は6時間以上が予想されます」、「(受け付け後は)ご自宅等で待機願います」、「順番によっては15時以降(夜間対応含む)となります」などと記された貼り紙もあり、行員は対応に追われている様子だった。

一方、来店した山口市の女性(50)は「職場の同僚から聞いて知った。物価高なので5万円は生活費の足しにしたい」と声を弾ませた。当初から西京銀行の予想を上回る来店があったとみられ、この数日前には営業時間内にもかかわらず「本日は終了しました」と、受け付けの一時停止を知らせる貼り紙を出す店舗もあった。』と報道していました。

私の知人も2月25日に山口支店に赴いたが、駐車場に車が止められず、付近の駐車場に車を止めてやっとのことで店舗に入りましたが、「本日は既に終了しました」との張り紙がしてあったそうです。その足で県庁内の支店も訪れたが、同様の事態にがっかりして諦めたそうです。

県内の第一地銀の山口銀行は下関市に、第二地銀の西京銀行は周南市にそれぞれ本店があります。両行とも県庁所在地以外に本店があるという全国でも珍しい形態です。

さて、西京銀行の売上は310億円、経常利益80億円、預金残高1.9兆円です。一方、山口銀行は、売上850億円、経常利益215億円、預金残高5.5兆円とかなりの差があります。

このキャンペーンで、同行へ預金がどれだけシフトしたかはわかりませんが、今後金利上昇が見込まれる状況の中で、積極的な貸付けで収益の拡大を意識しているのでしょう。また、証券投資信託やNISAなどの金融商品の増大も企図していると思われます。

このキャンペーンが吉と出るか凶と出るかは不明ですが、支店の窓口での混乱は想定外とのコメントがありました。西京銀行と山口銀行が利用者にとってメリットがあるように切磋琢磨して、さらなるサービスの向上に努めて欲しいものです。