解散総選挙が終わって1ヶ月が経ちました。少数与党となった自民党や連立を組む公明党にとっては非常に厳しい政局にならざるを得ません。自民と立民の国対委員長が会談し、17の常任委員長のポストのうち、8つを野党側に割りあてることで合意し、さらに政府の予算案を審議する予算委員会の委員長ポストを、野党第一党の立民に割りあてることでも合意したからです。野党議員が予算委員長を務めるのは1994年以来、30年ぶりです。
緊迫した情勢の中だからこそ、各党が選挙戦で公約したことをしっかりと議論し、物価高で疲弊した国民生活が良くなるようにしのぎを削って欲しいと国民は願っています。
先の総選挙の経済・税制の政策の主な概要は以下の通りです。
自民…電気・ガス料金・燃料費高騰対策とあわせて、物価高騰の影響を受ける事業者や低所得者、地方などに寄り添った物価高への総合的な対策に取り組む。
立民…「分厚い中間層」の復活に向けて、最低賃金を1500円以上に引き上げ、適正な価格転嫁などによって労働者の賃上げを実現する。
維新…成長のための税制を目指し、消費税や所得税、法人税の減税を行う。消費税は8%とし、軽減税率制度を廃止する。
公明…物価高の影響が大きい低所得世帯や年金生活者に対し、生活支援として給付金を支給する。電気・ガス料金、ガソリンなど燃料費への支援を続ける。
共産…最低賃金を時給1500円以上に速やかに引き上げ、地方格差をなくして全国一律の最低賃金制を確立する。消費税廃止を目指し、当面、緊急に税率を5%に引き下げる。
国民…「令和の所得倍増計画」を実現するために、増えた税収を還元し、国民の手取りを増やす。実質賃金がプラスになるまでの間、時限的に消費税を5%に引き下げる。
れいわ…消費税は廃止し、消費税の「インボイス制度」も撤回する。最低賃金を全国一律で時給1500円とし、介護・保育現場で働く人の給料を月額10万円引き上げる。
社民…大企業の内部留保に課税し、消費税の税率を3年間、ゼロ%にする。労働者の賃上げを大幅に行う。最低賃金を全国一律で時給1500円に引き上げる。
参政…骨太の方針を改め、プライマリーバランス=基礎的財政収支の黒字化目標を撤回し、積極財政による経済成長を実現する。消費税減税や社会保障の最適化を行う。
各党の公約の1丁目1番は物価高対策です。低所得世帯に対する給付金の支給、賃金の引き上げや最低賃金の1500円への引き上げ、消費税減税などが上げられます。
選挙の結果、大幅に議席を伸ばした国民民主党が経済政策のキャスティングボートを握っています。最大の争点は基礎控除等を103万円から178万円に拡大できるかどうかです。
私は、所得税の基礎控除を大幅に増加させることには賛成ですが、累進税率の引き上げをして高額所得者への課税強化をすべきだと思います。すると税収不足も解消されます。
しかし、何より物価高に有効なのは消費税の減税です。逆進性の問題を緩和でき、あまねく消費者がその便益を享受できます。景気も上向きます。いつやるか?今でしょう!