お役に立つ税金のミニ知識、第2回~個人事業者の資産の売却~

全国商工新聞という業者団体の機関誌の「税金相談コーナー」に数年間にわたり執筆したものの中からセレクトし、5回にわたり掲載をします。今回はその2回目です。

第2回目は、とても複雑な個人事業者の「資産の売却」をすっきりまとめてみました。

(Q)個人事業者です。昨年に経理に使っていた中古の軽貨物自動車を売却しました。この収入は確定申告でどうなりますか。

(A)その車を購入したときの金額と経理処理の仕方、所有期間で所得の種類と計算方法が違ってきます。

まず、その購入したときの価格が10万円未満であった場合は、売却収入は事業所得の収入金額になります。その価格が10万円以上20万円未満の場合で、一括減価償却資産としてその取得価格を3年間で経費にしていた場合も同様に事業所得の収入金額となります。

その価格が10万円以上で、固定資産として資産計上をして減価償却していた場合と10万円以上30万円未満で少額減価償却資産(青色申告の特例)として取得時の一時の必要経費にしていた場合には、売却収入は総合課税の譲渡所得の収入金額となりますので注意を要します。

譲渡所得は、収入金額から取得費と譲渡費用の合計額から特別控除(売却利益が50万円以下の場合はその金額、50万円以上のときは50万円)を控除します。取得費とは、購入価格から減価償却費を引いた帳簿価格をいいます。譲渡費用とは、売却に際してかかった諸費用をいいます。取得時から5年を超えて売却した場合には、その金額の半分が譲渡所得の金額になります。

その売却収入は事業所得になる場合も譲渡所得になる場合にも、消費税の課税売上高になります。譲渡所得になる場合にも、売却利益でなく売却収入が課税売上高になりますので間違えないようにしてください。