お役に立つ税金のミニ知識、第3回~印紙税の基礎知識と節税~

全国商工新聞という業者団体の機関誌の「税金相談コーナー」に数年間にわたり執筆したものの中からセレクトし、5回にわたり掲載をします。今回はその3回目です。

第3回目は、意外な盲点のある印紙税についてです。

(Q)個人で宝石、貴金属の販売をしています。また、配偶者が大工の仕事をしています。印紙税の仕組みと節税方法について知りたいのですが。

(A)印紙税法で定められた課税文書に対して印紙税が課税されます。課税文書を作成すると、定められた金額の収入印紙を貼り付けて消印し、納税する必要があります。消印とは収入印紙の再利用防止が目的であることから、印鑑に限らず、署名でも認められています。

課税文書は20項目に区分されており、請負契約書(2号文書)や受取書(17号文書)などです。課税文書には、覚書や念書も該当する場合もあります。また、領収書とレシートを同時に相手方に渡すときは両方に印紙を貼る必要があります。ただしこの受取書は5万円未満のものは非課税文書になります。

印紙税の基本はどんなものが課税文書になることを把握して、きちっとその都度貼付して、消印をすることです。税務調査等で指摘されれば、その税額の3倍の過怠税の課税がされます。なお、印紙のデザインは、一定の期間で変更されます。

印紙税は、課税文書原本に課されるので、コピーの場合は課税されません。通常、契約書などは売り手・買い手の両方が原本を保管するケースが多いですが、原本をひとつ作成しもう1通はコピーで済ませることで、印紙税を半分にすることができます。

また、電子メールやFAXで文書を作成すれば課税文書には該当しない取り扱いになっています。電磁的に決済をすれば、印紙税は不要となります。