ドイツでは、5月8日はナチス・ドイツが降伏してから75周年を迎えました。ベルリン市は今年に限り祝日としました。また人種や宗教などによる差別が絶えないなかでも「ファシズムからの解放の日」として恒久的な国民の祝日にしようとの声も上がっているようです。
この日シュタインマイヤー大統領は首都ベルリンで演説をし、多くの苦しみや犠牲を生んだナチス・ドイツの歴史を直視することが国際社会の信頼の獲得や民主主義や自由を守ることにつながると語りました。メルケル首相も献花をしました。
氏は「私たちがナチスの過去から解放されることはない。思い出すことを怠れば未来を失うと」と強調しました。そして「責任を受け入れるからこそ世界の人々から信頼され、私たち自身もドイツを信頼できる」とのべました。
ところで、二女が住んでいるノルトライン=ヴェストファーレン州(州都はデュッセルドルフ)では、新型コロナウイルス感染防止のための接触禁止、営業禁止等に関わる条例を改正し、マスク着用義務等に関する条文を追加・公表(おそらく全ての州が同じようにしていると思います)しました。二女によると欧州人は元来マスクが大嫌いだそうです(それがイタリアなどの感染増につながったという報道もありました)が、それに踏み込みました。
その主な内容は「公共交通機関や小売店を利用、訪問する際、ならびに営業を許可されているサービス(医療機関訪問を含む*)を受ける際、小学生以上の全ての市民にマスク(自制のものやスカーフも可)の着用が義務づけられる。なお、健康上等の理由にマスクを着用できない場合には適用されない」というものです。
*具体的には、小売業、市場、レストラン(テイクアウト時)、ショッピングセンター、展示販売店、医療機関利用時、または、その他1.5メートルの距離が確保できないサービスの受領時。
わが国の極めて曖昧なものと違って、政府(具体的には州)が明確にマスクについての基準を設けていることはさすがだと思いました。