コロナ禍で私の講演がビデオ収録になりました。それを聞き直してみると、言葉に詰まると「えっー」を乱発していました。恥ずかしい限りですが、自分の講演を自分で聞くことが今までなかったので早速この悪い癖は直す努力をしたいと思います。
先日行われた日本シリーズ第3戦で7回をノーヒットで抑えてヒーローインタビューを受けたソフトバンクのムーア投手も、会話の内容はよく分かりませんが「You Know」という言葉を連発していました。
会話などの途中でなかなか言葉が出ないときについつい出てしまい、それを多用すると聞きづらい表現になる言葉があります。日本語では、「えっー」「あー」「まあ」「なんか」などです。英語だと「You Know」「Well」「Let Me See」「But」などがそれに当たります。
なくて七癖という諺もあるように、誰もそれぞれ話し方に癖があります。それが個性という程度であれば良いのですが、どうも聞きにくいと思えば、万人が聞きやすいように改善する必要があります。その癖を他人から指摘されることは少ないので、自らが自らの癖に気づき矯正していく努力が大事だと考えます。染みついた癖はなかなか直りませんがその努力が大事です。
さて、聞きやすく伝わりやすいしゃべり方としては、短い表現で分かり易い表現を使いたいものです。仕事でもプライベートでも、やたらと話は長いけれど、何を言いたいのか、結論は何なのかが分からない人が少なくありません。このような「だらだら表現」を治すために、癖にしたい魔法のような表現方法があります。それは、次の3つです。
1つに目は、「結論から言えば……」と結論から言うことです。例えば、顧客からの苦情処理のことを上司に報告するケースで考えてみると、話の下手な人は、「朝10時位に電話で連絡があって、それは……だから……つまり……」などと報告します。上司が聞きたいのは時系列の事柄ではなく、苦情処理が上手くいったのかどうかです。話のうまい人はズバリ、結論から言います。そのことにより、上司は安心します。その後に、その経過や対処法を報告します。すると話は短くなり、上司との関係も良好に行きます。
2つ目は、「伝えたいことは3つあります」と言う表現です。これはナンバリングという手法ですが、複数のことを要領よく伝えたいときに有効です。すべての事柄を3つに要約して行く手法です。「伝えたいことは3つです。言いたい事柄の1つ目は○○○です。2つ目は△△△です。3つ目は□□□」と言ってから、それぞれの事項を話すか、それぞれの事項の頭に「1つ目は」「2つ目は」「3つ目は」と言い項目を話すことも有効です。この手法を用いることで、自分の言いたいことの論点整理になるし、聞く側にもスムーズにその内容が入ってきます。
3つ目は、「話は3分間」でまとめることです。3分あれば、かなりの情報量を聞き手に伝えやすくなります。朝礼の一言スピーチなどで、砂時計などを用いて上記の2つのことを織り交ぜて訓練すれば相当の訓練になります。そのことの応用として、与えられた時間以内で話を終えることにつながります。プレゼンや営業トーク、講演会などでも役に立ちます。