迫り来る消費税増税!~私たちの暮らしはどう変わるのか?~【3】

【3】軽減税率は大混乱をもたらす

(1) 軽減税率の対象は、飲食料品と定期購読新聞

高級食材、例えば世界の3大珍味と言われる「トリュフ・フォアグラ・キャビア」と、夜8時になったら半額のシールが貼ってある売れ残りセール食品も同じ税率→新聞は週2回以上発行のものに限る。

(2) 判別しにくい飲食料品

基本は人の食用と飲料に供されるものが軽減税率の対象だが、人が食べるクッキーをペットの犬のおやつにしても軽減税率の対象→人が飲む牛乳をペットのねこが飲んでも軽減税率の対象→ノンアルコールビール(アルコール度数が1%未満)は、軽減税率の対象→甘酒は、「酒」とネーミングされていてもアルコール度数が1%未満であれば、軽減税率の対象→医薬品は標準税率だが、サプリメントや健康食品は軽減税率の対象→オロナミンCは清涼飲料なので軽減税率の対象だが、リポビタンDは医薬部外品なので標準税率となる。

(3) 自販機のジュース類は全て軽減税率の対象だが、飲食店で出すと標準税率

ホテルや旅館の部屋にある冷蔵庫の烏龍茶は軽減税率の対象→宴会場で冷蔵庫にあるものと同じ烏龍茶は標準税率となる。

(4) 牛丼屋で食べると外食になり標準税率だが持ち帰ると軽減税率の対象

店の側にあるベンチで食べても軽減税率の対象→法事のため高級料亭で会食すると標準税率だが、同じ高級料亭から仕出し弁当を取ると軽減税率の対象となる。

(5) かしわ餅の葉は餅と一体になっているので「一体資産」とみなし軽減税率

販売価格が1万円以下で、かつ食品部分の価格が3分の2以上のものに限る。例えば、1万円のうち、8,000円がコーヒーで2,000円がマグカップであれば、一体資産とみなされる。

(6) 外食とは飲食店でテーブルやカウンターのあるところで食事を提供すること

飲食店で容器に入れて持ち帰るものは軽減税率の対象→残した料理を容器に入れて持ち帰るものは標準税率→高級料理店で仕出しを取れば軽減税率の対象だが、ケータリングにすると標準税率となる。

(7) 食堂車で食べると外食になり標準税率、ワゴン車の座席で弁当を食べると軽減税率

食堂車(今は少なくなったが)で食べると会食になり標準税率→食堂車から弁当を持ってきてもらうと軽減税率の対象となる。→コンビニで買って車内で食べれば軽減税率の対象となる。

(8) ミネラルウオーターは軽減税率のだが、水道の水は風呂にも使うので標準税率

氷の販売は食用のものは軽減税率の対象だが、保冷用のものは標準税率→ケーキ屋さんでサービスでくれる保冷剤は軽減税率の対象だが販売するものは標準税率となる。

(9) 重曹は食品に限定されるものは軽減税率の対象

→ただし、ホームセンターで売られている「掃除用」など食品以外の用途にも使用できる旨の記載があれば、標準税率となる。

(10) PayPay、LINE Pay

スマホを持っていない高齢者や未就学児童などは使えない→事業者にとってのメリットはあるのか?

(11) 「ポイント還元」と「軽減税率」

「ポイント還元」と「軽減税率」がセットになることによって、①買う商品②買う店③買い方の三つの要素で税率が3%、5%、6%、8%、10%の5段階になる。

(12) 「ポイント還元」は、カード決済しかできない

多くの高齢者はカードを持っていないし、未成年者もカードを持っていない→販売店もカード対応をするのに設備投資が必要になる→わずか9ヶ月の限定なのにそれで設備投資をするのは採算が合わない→カード会社への手数料も高いし、現金化するまで時間がかかる→マイナンバーカードでも使えるようにして普及率が10%にとどまっているのを飛躍的に増やしたい企図がみえみえである。

(13) プレミアムつき商品券

次の買い物の呼び水になると公明党幹部の発言あり→その商品券を使うと自らが低所得者であることが分かるためかえって使いにくくなるのでは?→それ自体が売買の対象となるので悪徳商法が出てくる可能性あり。

(14) 本来「軽減税率」という言葉を使うのであれば8%ではなく、5%にするのが筋である。

常識的に「軽減税率」という言葉を素直に理解すれば、以前の5%に下げることが当たり前である。