先月15日に気象台から中国地方で梅雨入りの発表がありました。平年より22日も早い梅雨入りとのことです。
梅雨とは、春の終わりから夏の始まりにかけて、雨とくもりの多い季節や気象のことを言います。日本周辺の上空にある小笠原気団など4つの気団によって起こるため、韓国、台湾、中国南部の海沿いなど、日本と日本に近い一部の東アジアだけにしかない特有の気象です。そのため、欧米やオーストラリアといった他国では、雨季(rainy season)や乾季(dry season)という言葉はあっても、梅雨にぴったり当てはまる言葉はないそうです。
語源をひも解くと「ばいう」は中国由来とされ、「梅の実が熟する時期の雨だから」「長雨で黴(かび)の生えやすい時期から黴雨(ばいう)が転じた」という説がよく知られています。
雨に悩まされジメジメとした湿気の多いこの時期は、洗濯物も外に干せない日々が続き、妻も室内乾燥ではなかなか乾かないとぼやいています。また、梅雨時期に気圧の変化や寒暖差が大きくなることによって、頭痛や倦怠感などの体調不良を感じる方が多くなります。そんな人の症状を「低気圧不調」や「気象病」と言うそうです。
そんな雨の多い時期にふと思い出すのは、渋瀬さんという人の「名」語呂合わせです。既に鬼籍に入られた方ですが、長きにわたり中小企業経営の応援団長でした。その功績は多大でした。中小企業経営者に適時・的確なアドバイスをされるだけでなく、語呂合わせやキャッチ・コピーなどの多くのものを残されました。
そのひとつが『雨で収穫』です。話し相手やお客様の関心はこれでバッチリ!というものです。
あ=相づちを打つ(なぁ~るほど!そうですね)
め=目をみながら(つまり、相手に関心をもって)
で=でしゃばらずに、前傾姿勢で聴くに徹する(知っている話でも話の横取りは厳禁です)
し=知らないことは、早め早めに質問する
ゅ=夢のある話には大いに関心を示す(ヘェー!)
う=うなずく(大きく、小さくと変化をつけて)
か=確認する(別の言葉で○○という事ですね)
く=繰り返す(相手の言った言葉をそのまま)
話し上手は、決して饒舌な人を言っているのではありません。かつて「ガイヤの夜明け」というテレビ東京系列の番組でも取り上げられた、住宅1,000棟を売った「伝説の営業マン」でとして一躍有名になった田中さんは、饒舌の反対を地でいく人でした。私流に言えば「頷き名人」です。「話し上手は聞き上手」とよく言いますが、その通りです。
『雨で収穫』、つまり相手にどれだけ気持ちよく話をしてもらうかが肝要だと言うことの語呂合わせです。梅雨のこの時期、渋瀬さんを偲びながら実践させていただきます。