税制改正及び税務行政に関する意見~私の税制改正についての思い~

毎年、中国税理士会下関支部から税務調査等に関するアンケートがあります。これを集約して、広島国税局と中国税理士会が協議会をする参考資料にしているようです。

コロナ禍の中、税務調査がほとんど実施されていない状況の中、アンケートのほとんどが空欄でした。A4一枚の事由記載欄に11項目にわたって、アトランダムに今、私が思っている税制改正の意見を書いたので紹介します。

(1)リーマンショックをはるかに超えるコロナ禍の中で、消費税を5%に戻すか0%にするかを時限立法でも良いから可及的速やかに実施すること。

(2)上記の消費税を5%に戻す場合においては、軽減税率制度を止め単一税率にすること。

(3)広島国税局管内は税務調査期間が長いと他局の税理士からよく言われる。同じ国税庁にあって、他局との不公平があれば是正をすること。

(4)国税通則法第74条の9の主語は「税務署長等」になっているが、現場では当該職員が実施している。この条文を実体に合わせて当該職員とするか、口頭でなく文書でもって納税者及びその代理人である税理士に通知をするようにすること。

(5)相続税の調査においてその多くが、納税者だけでなく、その家族まで銀行等の預金調査をやっている実体がある。それは反面調査になるので止めるべきである。

(6)重加算税の意味を納税者に知らせずに、安易に重加算税の賦課をする傾向があるので、もし賦課するのであれば、その意味するところを納税者に理解してもらうまでは、一方的な賦課はすべきではない。

(7)若い調査官が一人で調査することがあるが、杓子定規な調査ではなく、納税者が抱いている不安、意見などをしっかり聞いて、上司に復命すること。

(8)契約書、領収書などの書類については、当然にコピーできるという姿勢ではなく、あくまでも納税者の理解と協力の下にしないと、今後の課税当局と納税者が「近づきやすい」ということにはならない。

(9)留め置きの規定で、書類を署に持ち帰ってコピーをするかどうかを、予め明確にした方が後々のトラブルを未然に防ぐことができる。

(10)進行年度の調査(現金実査など)が実施される場合があるが、法律上何の根拠もないのでそのような調査手法はやめること。

(11)医療機関におけるカルテの開示については、医療法において禁止されているので、個人情報保護法違及び刑罰対象行為になることを未然に防止するためやめること。

他にもたくさんの要望や意見がありますが、枚数の関係でここまでしか書けませんでした。

先進国において唯一「納税者の権利憲章」がないわが国、ニッポン。納税者があくまで「主人公」であり、課税庁にとっては「お客様」です。その立ち位置をはっきりさせないといけないと思っています。